今の外部監査人に満足できない監理団体様へ

外国人技能実習を監理する監理団体にとって、最も重要なメイン業務とはなんでしょうか?

それは、ご承知の通り、外国人技能実習生を雇用している会社(実習実施者)に対する監査業務です。

この監査業務には、定期監査や臨時監査、定期的な訪問指導などが含まれます。

もし監査業務が適正に行われないなら、会社が、技能実習とは関係のない仕事をさせたり、労働法令違反を行なったり、人権侵害行為をするなどの問題を起こす可能性が高まります。

そうなるなら、会社が外国人技能実習生を雇用できなくなるだけでなく、監理団体に対しても、監査業務を適正に行っていたのか責任を問われることになります。

そのため、そのような結果にならないよう、技能実習法では、公正中立な立場から監理団体が適正に監理業務を行っているのかチェックするように、外部役員または外部監査人を置くことが義務付けられています。

監理団体を守れる外部監査人とは

外部監査では、3か月に1回以上の頻度で監査業務の遂行状況を確認し、さらに1年に1回以上の頻度で監理団体が行う実習実施者(会社)への監査に同行し、その結果を外部監査報告書にまとめます。

このように、外部監査では、監理団体が実習実施者に対する監理業務を適正に実施しているのかを監査するため、当然、外部監査人には監理団体よりも高い法律知識が不可欠です。

特に、技能実習法、入管法、労働関係法令、中小企業等協同組合法についての正確かつ専門的な知識が求められます。

とはいえ、多くの監理団体では、この外部監査制度がなかなか機能していないという現状があるようです。

その主な理由は、外部監査人の知識不足・能力不足です。

技能実習法が施行された時に、外部役員又は外部監査人に就任できる身近な人になってもらっていることが多く、その外部監査人は、十分に監査をせず外部監査報告書を作成しています。

このように、外部監査制度が機能していないと、年に1回程度行われる外国人技能実習機構(OTIT)の監査に耐えることができません。

そして、機構の監査で問題を指摘されて改善を命じられたり、場合によっては、監理団体の許可が取り消されることも考えられます。

もし外部監査人が問題点をきちんと指摘していれば、機構の監査までに対応することができ、大きな問題は至らなかったことでしょう。また、有能な外部監査人であれば、予防策を講じることができますので、そもそも機構の監査を心配することはなくなります。

そのため、外部監査人の責任は重く、具体的な監査事項は次の通りです。

具体的な外部監査事項とは

具体的な外部監査事項は以下の通りです。

監理費に関する事項

  1. 団体監理型実習実施者等へあらかじめ用途及び金額を明示した上で徴収していること
  2. 徴収した職業紹介費が団体監理型実習実施者等と団体監理型技能実習生等との間における雇用関係の成立のあっせんに係る事務に要する費用(募集及び選抜に要する人件費、交通費、外国の送出機関へ支払う費用その他の実費に限る。)の額を超えていないこと
  3. 徴収した講習費が、入国後講習に要する費用(監理団体が支出する施設使用料、講師及び通訳への謝金、教材費、第1号団体監理型技能実習生に支給する手当その他の実費に限る。)の額を超えていないこと
  4. 徴収した監査指導費が、団体監理型技能実習の実施に関する監理に要する費用(団体監理型実習実施者に対する監査及び指導に要する人件費、交通費その他の実費に限る。)の額を超えていないこと。
  5. 徴収したその他諸経費が、その他技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に資する費用(実費に限る。)の額を超えていないこと

業務に関する事項

  1. 団体監理型実習実施者が認定計画に従って技能実習を行わせているか等、監理責任者の指揮の下、主務省令第52条第1号イからホまでに定める方法(団体監理型技能実習生が従事する業務の性質上当該方法によることが著しく困難な場合にあっては、他の適切な方法)によって3か月に1回以上の頻度で監査を行う(=定期監査)ほか、実習認定の取消し事由に該当する疑いがあると認めたときは、直ちに監査を行っていること
  2. 第1号団体監理型技能実習に係る実習監理にあっては、監理責任者の指揮の下、1か月に1回以上の頻度で、団体監理型実習実施者が認定計画に従って団体監理型技能実習を行わせているかについて実地による確認(団体監理型技能実習生が従事する業務の性質上当該方法によることが著しく困難な場合にあっては、他の適切な方法による確認)を行うとともに、団体監理型実習実施者に対し必要な指導(=訪問指導)を行っていること
  3. 技能実習を労働力の需給の調整の手段と誤認させるような方法で、団体監理型実習実施者等の勧誘又は監理事業の紹介をしていないこと
  4. 入国後講習を認定計画に従って実施しており、かつ、入国後講習の期間中に団体監理型技能実習生を業務に従事させていないこと
  5. 技能実習計画作成の指導に当たって、団体監理型技能実習を行わせる事業所及び団体監理型技能実習生の宿泊施設を実地に確認するほか、主務省令第52条第8号イからハに規定する観点から指導を行っていること
  6. 技能実習生の帰国旅費(第3号技能実習の開始前の一時帰国を含む。)を負担するとともに技能実習生が円滑に帰国できるよう必要な措置を講じていること
  7. 実習監理を行っている団体監理型技能実習生の人権を著しく侵害する行為を行っていないこと
  8. 団体監理型技能実習生との間で認定計画と反する内容の取決めをしていないこと
  9. 実習監理を行っている団体監理型技能実習生からの相談に適切に応じるとともに、団体監理型実習実施者及び団体監理型技能実習生への助言、指導その他の必要な措置が講じられていること
  10. 事業所内の一般の閲覧に便利な場所に、監理団体の業務(監理費の徴収を含む。)に係る規程を掲示していること
  11. 団体監理型実習実施者が、団体監理型技能実習に関し労働関係法令に違反しないよう、監理責任者に必要な指導を行わせていること
  12. 団体監理型実習実施者が、団体監理型技能実習に関し労働関係法令に違反していると認めるときは、監理責任者に是正のための必要な指示を行わせていること
  13. 12の指示を行ったときは、速やかに、その旨を関係行政機関に通報していること
  14. 事業所管大臣が特定の職種及び作業に特有の事情に鑑み告示で定める基準や方法に従って業務を行っていること(該当がある場合に限る)

書類に関する事項

  1. 団体監理型実習実施者及び団体監理型技能実習生の理簿が適切に作成され、備え付けられていること
  2. 監理費に係る管理簿が適切に作成され、備え付けられていること
  3. 団体監理型技能実習に係る雇用関係の成立のあっせんに係る管理簿が適切に作成され、備え付けられていること
  4. 団体監理型技能実習の実施状況に係る監査に係る文書が適切に作成され、備え付けられていること
  5. 入国後講習及び入国前講習の実施状況を記録した書類が適切に作成され、備え付けられていること
  6. 問指導内容を記録した書類が適切に作成され、備え付けられていること
  7. 団体監理型技能実習生から受けた相談の内容及び当該相談内容への対応を記録した書類が適切に作成され、備え付けられていること
  8. 外部監査人による監査に係る文書が適切に作成され、備え付けられていること
  9. 事業所管大臣が特定の職種及び作業に特有の事情に鑑み告示で定める基準や方法に従って書類を作成し備え付けていること(該当がある場合に限る)

保護に関する事項

  1. 暴行・脅迫・監禁等により技能実習を強制していないこと
  2. 保証金の徴収・違約金を定める契約等がないこと
  3. 預金通帳の管理など不当な財産管理を行っていないこと
  4. 旅券・在留カードを保管していないこと
  5. 技能実習生の私生活の自由を不当に制限していないこと

その他の事項

  1. 監理団体の許可証を各事業所に備え付けていること
  2. 技能実習の実施が困難となった場合、技能実習生が引き続き技能実習を行うことを希望するものが技能実習を行うことができるよう、他の監理団体等との連絡調整等を行っていること

これらが、外部監査報告書とともに外国人技能実習機構に提出する「外部監査実施概要」という書類に記載されている項目です。

これらの項目に加えて、機構による実地検査に協力していること、主務大臣による改善命令・業務停止命令に従っていること、名義貸しを行っていないこと、個人情報を適正に管理していること、秘密保持契約を遵守していることなどについても監査の対象となります。

外部監査人の要件

外部監査人に選任されるには、「過去3年以内に外部監査人に関する講習を修了し」ていなければなりません。

経過措置は、2020年3月31日に終了しましたので、現在は、すべての外部監査人は講習を受講することが必要です。

また、外部監査人は、公正中立な立場で監査することが求められていますので、以下に該当する者は就任することができません。

  • 実習監理を行う対象の実習実施者又はその現役若しくは過去5年以内の役職員
  • 過去5年以内に実習監理を行った実習実施者の現役又は過去5年以内の役職員
  • 上記の者の配偶者又は二親等以内の親族
  • 申請者(監理団体)の現役又は過去5年以内の役職員
  • 申請者(監理団体)の構成員(申請者が実習監理する団体監理型技能実習の職種に係る事業を営む構成員に限る。)又はその現役又は過去5年以内の役職員
  • 傘下以外の実習実施者又はその役職員
  • 他の監理団体の役職員
  • 申請者(監理団体)に取次ぎを行う外国の送出機関の現役又は過去5年以内の役職員
  • 法人であって監理団体の許可の欠格事由(法第26条)に該当する者、個人であって監理団体の許可に係る役員関係の欠格事由(法第26条第5号)該当する者
  • に技能実習に関して不正等を行った者など、外部監査の公正が害されるおそれがあると認められる者

外部監査人に就任するものは、上記の要件を満たしていることはもちろん、最初にお伝えした通り、技能実習法、入管法、労働関係法令、中小企業等協同組合法などの知識を有しているなど外部監査を適正に遂行できる能力を有する者であることが求められます。

外部監査人をお探しの監理団体様へ

当事務所では、外部監査人の就任及び監査業務を積極的に行っております。

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