【2021年版】入管業務を専門にするなら揃えておきたい本(ビザ申請・特定技能・技能実習)

入管業務の専門書

入管業務専門の行政書士をしていますと、新人の行政書士さん、社労士さん、弁護士さんに「どうやって入管業務を学んでいけばいいですか?」と質問されることがあります。

ほかの業務と同じように、研修会・セミナーの参加、先輩の先生に尋ねるといった方法がありますが、私がまずお勧めしているのは本を読んで知識を増やすことです。

それは、本が一番コスパがいいからです。

セミナーだと1回に数万円の参加費がかかることがありますし、先輩の先生と業務を一緒にやる場合、大抵は先輩の先生は指示をするだけなのに報酬は半分ということが多いでしょう。

また、入管業務は専門性が高いため経験があっても様々な疑問が生じることがあります。その疑問を解決してくれるのは、手元にある専門書であることが少なくありません。

そのため、まず専門書を揃えておき、それでも解決しなければ、入国管理局に問い合わせたり、先輩の先生に聞いたりすることができます。

では、入管業務を扱うためにどんな専門書を揃えておくとよいでしょうか?

普段、入管業務を専門にしている私が、実際に役立ったと実感した本をご紹介します。

※この記事のお勧めの本は、随時更新してゆきます。(最終更新:2021年5月)

入管業務をするなら揃えておきたい

(新版)詳細 入管法の実務 -入管法令・内部審査基準・実務運用・裁判例-   著者:弁護士 山脇 康嗣

【オススメ度★★★★★】

入管業務するなら絶対に手元に置いておきたい“入管業務のバイブル”といってよい一冊です。この本は、入管法令、入管職員が参照する内部資料の審査要領、実際の制度の運用、過去の判例などを、国内で最も入管法に精通している弁護士がまとめたものです。そのため、古くなっている情報はあるものの、内容は信頼でき、難しい内容の相談を受けた際、頻繁に参照することになります。おそらく入管業務をしている行政書士・弁護士のほとんどはこの本を持っています。

この本を購入するなら、必ず電子書籍ではなく、紙の書籍で買われることをお勧めします。私は最初電子書籍で購入しましたが、800ページ以上あるこの本から該当の箇所を探すのに大変苦労しました。また、この本は入門書ではないので、入管業務について何もわからない方は、後述する「外国人就労のための入管業務 入門編」などのライトな入門書をまず読まれることをお勧めします。

実務家のための 100の実践事例で分かる入管手続き  著者:行政書士 濱川 恭一、 行政書士 長谷部 啓介

【オススメ度★★★★★】

この本は、入管業務を行う上での経験不足を補ってくれる本です。入管業務では、許可要件を満たすことを申請人側が証明する必要があるため、法務省のホームページに載っていない資料を提出することが少なくありません。これが、入管業務の面白さでもあり、難しさでもあるのですが、「じゃあ一体どんな書類を提出すればいいか?」ということは、経験を重ねないとわかりません。しかし、この本を見ると、どのような資料を提出すると良いかが実例とともに紹介されており、とても役立ちます。

私はこの本を始めて読んだとき、正直感動しました。入管業務の専門家としてのノウハウや知りたいことが満載です!専門家に依頼するような案件は高難易度のものが多いですから、この本の情報はとても役立ちます。

ひと目でわかる外国人の入国・在留案内【17訂版】  著者:出入国管理関係法令研究会

【オススメ度★★★★☆】

この本を見れば、一目で在留資格の要件を確認できます。在留資格の相談を受けたとき、依頼者がどの在留資格に該当するのか、どの在留資格へ変更できるのかを判断するのは非常に重要です。この本は、外国人の在留資格が一覧でまとめられているだけでなく、入管申請でどのような資料を立証資料として提出したらよいのかも書かれています。在留資格の申請なら何でもしますよ、という方ならぜひ手元に置かれることをお勧めします。

注解・判例 出入国管理実務六法 令和3年版  著者:出入国管理関係法令研究会

【オススメ度★★★★☆】

その名の通り、入管業務に関係する法令がまとめられている入管業務における六法全書です。単に法令が載っているだけでなく、その法令の解説や判例も記載されています。そのため、説得力のある理由書を作成する際に、とても役立ちます。また、各申請・許可書・通知書の様式も掲載されているのも良い点です。入管の職員の方もこの本を活用しておられるようですよ。本格的に入管業務をされる方は、この六法を持っていると心強いのではないでしょうか。

外国人就労のための入管業務 入門編  著者:行政書士 飯田 哲也

【オススメ度★★★★☆】

これから入管業務を始めようと思っておられる行政書士の方にお勧めの本です。入管業務をするうえで最低限知っておきたいことが網羅されている一冊です。特に、私が素晴らしいと思ったのは、在留資格の許可要件を分解して解説している点です。この「許可要件の分解」は、各在留資格を正確に理解するうえで欠かせません。許可要件を把握せずとも入管業務は一定程度行うことはできますが、いずれ大きな壁にぶつかることになるでしょう。本書は入門編となっていますが、入管業務をするうえで非常に大切な内容が扱われています。

外国人就労のための入管業務 実践編  著者:行政書士 飯田 哲也

【オススメ度★★★☆☆】

この本では、各在留資格の申請でどのような資料を収集したらよいのか、必要資料の一覧が掲載されています。また、資料の英語名も載っていますので、外国人のために準備資料リストを作成するときに、この本を参照するとよいでしょう。また、申請書や理由書の書き方も掲載されています。ただ、入管業務に何年も携わっている方にとっては、新鮮な情報は少ないかもしれません。

外国人雇用の実務<第3版>  著者:近藤 秀将

【オススメ度★★★★☆】

この本は、外国人を雇用する企業にとって特に有益な本です。なぜ外国人を雇用するのか、どのように外国人材を活用するべきか、企業の経営者の視点で解説してます。そのため、この本を読めば、外国人を雇用する企業の実情をよく知っている行政書士になることができます。いつも手元においておくべき本という訳ではありませんが、一読する価値のある本です。

外国人事件ビギナーズ ver.2  著者:外国人ローヤリングネットワーク

【オススメ度★★★★☆】

この本は、外国人関連の業務をこれから行なう弁護士さん向けに書かれています。そのため、この本を読むと、外国人関連業務のベースになる幅広い知識を得ることができます。外国人関連の業務を扱っている分厚い専門書をコンパクトにまとめた感じといったら伝わるでしょうか。ただし、この本のタイトルには「Beginners(ビギナーズ)」と書かれていますが、具体例が少ないため、これまで外国人関連業務の経験がない方は難しく感じると思います。

また、この書籍は、弁護士向けのため、主に行政書士が扱うことが多い入管業務についてはそれほど詳しく書かれていません。他方、弁護士が扱うことが多い外国人の刑事事件、訴訟事件、強制退去事件、難民事件などについては多くのページが割かれています。したがって、この本は、外国人関連業務を行なうすべての弁護士の方、在留特別許可の手続きを行なう行政書士の方、また、幾らか実務を経験した専門家の方が考えを整理するのにおすすめです。

加除式書籍はどうなのか?

法律関係の出版社では、加除式書籍が販売されており、法律家の方ならまず加除式書籍を購入するという方も多いです。

そして、金額もそれほど高くない。

さらに、法改正などが生じ、内容が変更・修正された場合、該当ページ部分だけを差し替える「追録」が発行されます。

そのようにして、いつでも最新の内容を維持できます。

最高!?

ただ、「追録」は有料で、けっこう高いです。

加除式書籍において、出版社が追録で稼ごうとしていることは明らかです。

その割に、加除式書籍を参照する頻度はそれほど多くない。

費用対効果が悪いので、外国人業務に専門特化することを決めてから、加除式書籍を購入されるほうがよいかもしれません。

それぞれの考え方があると思いますが、ご参考までに。

特定技能ビザを扱うなら手元においておきたい

特定技能制度の実務―入管・労働法令、基本方針、分野別運用方針・要領、上乗せ告示、特定技能運用要領、審査要領―  著者:弁護士 山脇 康嗣

【オススメ度★★★★★】

この本は、特定技能ビザの申請をするなら必ず持っておきたい一冊です。特定技能制度はとても複雑で関係法令も多いのですが、この本はそのほぼすべてを網羅しているという点で、極めて重要かつ貴重な専門書といえます。特に、特定技能ビザの審査で詳しくチェックされる労働関係法令にも多くのページを割いており、労働法の専門家ではない行政書士の知識不足を補ってくれます。まさに、特定技能ビザ申請におけるバイブルです。

特定技能 Q&A -新たな外国人材の受入れ制度-  著者:山中 政法、佐藤 義一、福山 和昭

【オススメ度★★★★★】

この本は、特定技能制度についてQ&Aの形でわかりやすく解説しているです。依頼者からの特定技能に関する質問は、基本的なものであればこの本で対応できるのではないかと思います。元入管局長だった方々が書かれた本なので、信頼性が高いです。特定技能制度が始まって以降、特定技能に関する本がたくさん出版され、私も幾つも購入しましたが、この本はとても役立ちそうです。

建設分野の特定技能外国人を雇用するなら揃えたい

建設分野の 1号特定技能外国人受入れマニュアル  著者:一般社団法人 建設技能人材機構(JAC) (監修)、建設特定技能制度研究会 (編集)

【オススメ度★★★☆☆】

建設分野で特定技能外国人を受け入れるには、入国管理局へビザ申請をする前に、国土交通大臣からの認定を受ける必要があり、建設分野の手続きは他の分野よりも複雑です。そのため、入管業務を専門にする行政書士であっても、様々な疑問が生じるものです。この本は、建設分野で特定技能外国人を受入れる企業に加入が法律で義務付けられている「一般社団法人 建設技能人材機構」(略称:JAC(ジャック))が監修し、その職員の方々が執筆されました。そのため、書かれている内容は信頼でき、役所の意図を反映したものとなっています。しかし、この本は実際の手続きをする上でのマニュアルであり、その根底にある特定技能制度の考え方や落とし穴については触れていません。それで、まず上述の「特定技能制度の実務」や後述の「建設分野の外国人材受入れガイドブック」をお読みになることをお勧めいたします。

建設分野の外国人材受入れガイドブック2020  著者:建設技能人材研究会

【オススメ度★★★☆☆】

上述の「建設分野の 1号特定技能外国人受入れマニュアル」と同様、この本も一般社団法人 建設技能人材機構(JAC)の職員の方々が執筆した本です。この本では、建設分野で特定技能外国人を雇用する企業がまず知っておくべきことが書かれています。例えば、「特定技能」と「技能実習」の違い、労働条件や待遇面、建設キャリアアップシステムなどに関することです。そのため、特定技能外国人の雇用を考えている建設業者様にメリット・デメリットなどを説明する上で役立つ一冊です。

外国人技能実習事業をサポートするなら手元に置いておきたい

技能実習法の実務  著者:弁護士 山脇 康嗣

【オススメ度★★★★★】

現時点(2021年2月)において、外国人技能実習制度や技能実習法などの関係法令や運用について的確にまとめられており、専門家が活用できるレベルにあるのは、この本だけです。そのため、外国人技能実習生を受け入れている企業や外国人技能実習の監理事業をしている事業協同組合からの相談を受ける方であれば、必ずこの本を持っておかれることをお勧めいたします。特に、技能実習法で義務付けられている外部監査人や外部役員に就任し、定期的に監査を行なう方にとっては必携の一冊です。

中小企業組合必携 2020ー2021  著者:全国中小企業団体中央会

【オススメ度★★★★★】

外国人技能実習の監理事業をしている事業協同組合から相談を受けていますと、組合運営や定款変更に関する相談を受けることがあります。その際に、組合運営に必要な情報がまとめられている本書は役立ちます。また、事業協同組合の職員の方はこの本に精通していなければ、的確に業務を遂行できないのではと感じるほどです。

まとめ

中長期的な視点で考えるなら、今後、外国人が大幅に増加し、会社で外国人が働いているのが当たり前となる時代が到来します。その反面、外国人関連の法律や手続きは非常に複雑になっています。

そのため、入管業務はとても将来性があり、今から入管業務を取り扱い、手続きに精通しておくことは、専門家自身・士業事務所双方にとってとても有益なことです。

この記事が、外国人関連のお仕事をしておられる方やこれから入管業務を行っていこうと思っておられる士業の先生方に少しでもお役に立つなら幸いです。

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